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AIの業務利用割合は60%と急速に高まる一方、データサイエンティストの業務満足度は37%と前年比9ポイント減、将来性はここ5年で最低に。
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独自育成プログラム保有率は26%で停滞し、環境整備・待遇改善が課題。
一般社団法人データサイエンティスト協会(所在地:東京都港区、代表理事:高橋 隆史、以下 データサイエンティスト協会)は、一般(個人)会員向けに実施したデータサイエンティストの実態に関する調査結果を発表しました。
<調査結果のまとめ>
- データサイエンス業務への満足度、またデータサイエンティストの将来性はいずれも昨年から低下傾向
- データサイエンティストに将来性を感じている割合は78%であるが、ここ5年で最も低い結果
- 10、20代では90%が将来性を感じているものの、30代は71%と低く、年代差が大きい
- 業務満足度は37%で、前回から9ポイントも急落
- スキルアップの際に相談先やロールモデルの不足が課題に挙げられている
- 生成AIの業務利用は昨年の2倍である60%に伸長
- 独り立ち以上のスキルレベルを持つ割合、また生成AI関連のスキルを有する割合が増加傾向
- 社内データの分析、活用が60%と、昨年から10ポイント急減
- 社内専門組織を保有する企業比率が43%と伸びが止まり、また独自育成プログラムを備える企業も26%で停滞
- データ分析業務に至る経歴として「社内の部署異動」「他職種からの転職」が22%
- 分析業務の従事期間が短いほど社内の部署異動が多く、長いほど他職種からの転職が多い
【調査の趣旨・目的】
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会(委員長 塩谷周久氏)では、協会の一般(個人)会員を対象に定期的なアンケート調査を行い、現在データサイエンティストとして活動している人の実態を把握しています。この調査は、2015年から継続して実施しており、今回で9回目となります。前回から追加した生成AIについて、どのような分野・業務での導入といった調査項目を今回追加し、また数学・データサイエンスのこれまでの学習経験やデータ分析業務に至る経歴に関する項目も追加しております。
データサイエンティストの特徴、スキル、企業に対する要望、業務満足度、将来性などを定点で把握することで、企業とデータサイエンティストのマッチングに関する現状を明らかにしています。
【調査結果について】
今回の調査結果について、調査を担当したデータサイエンティスト協会 調査・研究委員会の友田彩子氏(株式会社オリコム)は次のように述べています。
「データサイエンティスト協会の一般(個人)会員を対象に9回目の調査を実施いたしました。データサイエンスやデータサイエンティストを取り巻く環境は、ここ数年で急激に変化しています。AI関連業務の増加により、データサイエンティストに求められるレベルが高度化し、また対象分野も多様化してきている実態が浮き彫りとなりました。そして、その弊害として、人材育成や運用面で新たな課題を抱える企業の増加が確認できました。また、働く環境が変化する中、データサイエンティストの将来性や業務満足度のスコア停滞の傾向も見受けられます。ここ数年、ロールモデル不足も指摘されており、現状に即した育成環境整備や待遇改善が急務となっています。」
【調査の詳細】
【調査概要】
調査対象 :データサイエンティスト協会 一般(個人)会員全体
調査手法 :インターネット調査
調査期間 :2024年11月20日~12月11日
有効回答数:313人
【本件に関するお問い合わせ】


