2025.02.18

課題解決型人材コンテスト2024 参加者インタビュー vol.1

課題解決型人材コンテスト2024 参加者インタビュー vol.1

課題解決型人材コンテストは、企業にリアルな業務課題とデータを提供いただき4ヶ月間のデータ分析結果からアクションを提言するコンテストです。参加者がチームを組みメンターからアドバイスを受けながら、フレームワークに沿って課題・データ提供企業と合意形成するユニークな取り組みを行っています。

 

本日は、課題・データを提供いただいている株式会社パルコのお二人と、メンターを担当している株式会社FLUXの服部さんにコンテストに期待していることなどのお話を伺いました。

 

2024年の概要はこちら→https://techplay.jp/event/942873

株式会社パルコ 顧客政策部 高橋 暁さん、伊達 香澄さん
株式会社FLUX DXソリューション本部 服部 翔大さん
普段どのようなお仕事をされているかなど、それぞれの自己紹介を簡単にお願いします。

 

伊達さん:株式会社パルコは、北海道から九州まで全国で16の商業施設を運営している会社です。私は顧客政策部という部署で主にポイントのデータ集計や顧客軸での分析をしています。またメールやアプリコミュニケーションのためのデータ整備にも携わっています。

 

高橋さん:伊達さんと同じチームに所属しています。CRM文脈での顧客軸のデータ分析やデータ活用などを担当しています。データ活用は部門内外でデータを活用できるようダッシュボード構築やCDP構築、クーポン配信やデジタルコミュニケーションを行うためのデータ整備などです。リーダーとしてチームのマネジメントもしています。

 

服部さん:株式会社FLUXというAIのスタートアップの会社でコンサルタントをしています。お客様の業務上の悩みをお聞きし、データやAIを活用した解決策を提案するのが仕事です。データサイエンティスト協会(以下、DS協会)には、コンテストの始まった2020年から企画に携わっています。

本コンテストの主旨や目的など紹介をお願いします。

 

服部さん:本コンテストは2020年に始まったもので、主に事業会社に所属し、データサイエンスに興味のある方を対象とした人材育成プログラムです。リアルなお客様の課題に対して、実際にお客様とやりとりしながら解決策を提案していくことが、このプログラムのユニークな点です。毎年参加者は20人ほどおり、4~5人でチームを作り、4か月間かけて課題に取り組んでいきます。

 

DS協会は、データサイエンティストに必要な能力を大きく3つに整理しています。1つ目はデータサイエンス力と呼ばれ、分析の理論に精通していること。2つ目はデータエンジニアリング力と呼ばれ、平たくいえばプログラミングの能力です。この2つに加え、実際の仕事でデータサイエンティストとして活躍するには、お客様が何に困っているかをヒアリングより的確に把握したり、分析結果をどう業務に使うのかを設計したり、それによりどんな効果が出るのかをお客様と合意形成すること等が重要となります。これをビジネス力と呼んでいますが、普段からクライアントワークをしているコンサルタントのような職業の方を除き、普通は身につけるのが難しいものです。

 

このコンテストは、事業会社にいると実践する機会が少ないビジネス力の向上を、DS協会がお手伝いできないかということから企画がスタートしたものであり、リアルなお客様を納得させる経験を通して、ビジネス力の肌感覚を身につけてもらうことを主旨としています。

 

データサイエンティストに必要な3つのスキル領域

データサイエンティストに必要な3つのスキル領域は、ビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力

本コンテストをどのように知り、ご協力いただけるまでの背景を教えていただいてもよろしいでしょうか。

 

伊達さん:昨年夏頃にDS協会に入会し様々な取り組みを知っていく中で、本コンテストのお話をいただきました。参加者の皆様に分析いただけることは貴重で大きなメリットだと感じたこともあり、今回データ提供をさせていただくことになりました。

 

高橋さん:もともと社会のデータ人材を育成・サポートすることに関心がありました。本コンテスト以外にもそのような活動をしていたことがあったので、今回の参加もそこまでハードルが高くありませんでした。

本コンテストについて期待していることはどのようなことですか。

 

伊達さん:これまで分析してきた中で見つけられなかったところや、考えられていなかった切り口や視点からご提案いただけるのではないかと期待しています。

高橋さん:そうですね。データサイエンスに関して専門性の高い人材が社内にまだ少ないため、社内ではなかなか難しい高度な分析によってどういった結果が導かれるのか期待しています。また、イチ生活者・消費者として会社の事情に囚われすぎずどういった仮説を考えていただけるか、どのような提案をいただけるかも期待しています。

現在までのところコンテストをどのように感じていますか。まだ始まったばかりだと思いますが、感想などあれば教えてください。

 

伊達さん:チームの皆さんとお話をしていて、思っていた以上に高いレベルでパルコのデータと向き合ってくださっていると思いました。目的や課題が何で、というのを丁寧に整理してくださっています。店舗の企画など細かく調べた上でヒアリングもしてくださるので今後の提案に期待が高まっています。

 

高橋さん:感謝!という気持ちが大きいです。資料などを見てもフィールドワークをしてくれているのが分かります。どのチームも、議論して仮説を立てていて、分析のモデルを作るだけではなく、ビジネス課題起点で提案してくださるのもありがたいです。また、お話を聞いていてとても面白く、物事を捉える視点が多様になります。一つの分析テーマとデータに対して、複眼的に分析してもらえます。

参加してみて既に驚いたこと、意外だったことなど気付きはありましたか?

 

伊達さん:ある程度チームごとに違う結果になると予測していましたが、課題設定やアプローチ方法などは思っていたよりも違うので驚いてます。目の前のデータだけでなくパルコの収益構造や各店の施策などまで真摯に向き合ってくださっていることが伝わってきました。

 

高橋さん:中間発表1回目の段階で、計画中の各分析の目的変数はチーム間でさほど変わりはない気がしますが、提示したビジネス課題から分析課題に落とし込む時のプロセスが多種多様なことに驚きました。この先の説明変数や解釈、結論がチームによって違うんだろうなという期待があります。この先が楽しみです。
感動したところは、基礎集計でも、かけ合わせる軸や可視化の方法、全体設計や整理の仕方など、多様な視点を持っている方が多く新鮮でした。

参加者の皆さんへメッセージなどあればお願いします。

 

伊達さん:まずは、参加してくださってありがとうございます。パルコで分析しきれてない部分もあるので皆さんの提案を楽しみにしています。最後までよろしくお願いします。

 

高橋さん:成長効果が実感できるようにサポートしたいと思っています。「聞くまでではないかな?」と思うこともあるかもしれないですが、何でも聞いて、頼ってください。最終発表を含めてとても楽しみにしてます。

服部さんから参加者の皆さんへアドバイスなどがあればお願いします。

 

服部さん:「高度な分析のモデルを知ってるからすごい」「プログラミングができるからすごい」ではなく、お客様にとってのインパクトで考えることが大切です。また、この4ヶ月の分析をただ一生懸命やって終わりではなく、コンテスト終了後も仕事の一環として続けてほしいと思っています。今回身につけたビジネス力を使って今後の活躍に繋げていただければと思います。

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