2024.10.18

Data of Data Scientist シリーズ vol.62『日本:25.3%、ドイツ:56.7%、アメリカ:63.1%、インド:80.8%-就労者のデータサイエンティストの認知率』

データサイエンティスト協会では、一般ビジネスパーソン向けのアンケートを毎年実施しています。今回は、データサイエンティストの認知率について、各国(日本、アメリカ、インド、ドイツ)との比較を通して、見ていきたいと思います。

 

一般ビジネスパーソン向け調査2024年調査結果:https://www.datascientist.or.jp/news/n-pressrelease/post-3592/

2024年の一般ビジネスパーソン向けアンケートにおいて、「あなたは、以下の職種(データサイエンティスト)を知っていますか。」という質問に対する回答結果は以下の通りです。

 

 

ビジネスパーソンのデータサイエンティストの認知率は、インドが最も高く、続いてアメリカ、ドイツ、日本という結果でした。日本以外は、認知率が50%を超えており、この4か国の中では、日本が際立って認知率が低いことが読み取れます。

では、日本でのデータサイエンティストの認知率は、増加していないのかというと、そうではなく、「名前を聞いたことはある」まで含めて集計すると、徐々に増加しています。2022年から2024年までの同調査における日本の結果は以下の通りです。

 

 

2022年から2024年にかけて、「確かに知っている」「なんとなく知っている」「名前を聞いたことはある」を合わせた認知率は、38.2%から49.9%まで、11.7%増加しています。しかし、認知状況の度合いを見ていくと、「確かに知っている」「なんとなく知っている」は変化が小さく、「名前を聞いたことはある」が大きく増加していることが読み取れます。そのため、現状としてはデータサイエンティストというワードだけが独り歩きし、その実態などに対する関心はそこまで高くないと言えそうです。

 

認知率が拡大することで、データサイエンティストに必要なスキルの多さと複雑さが浮き彫りになってくることが想定されます。データサイエンスは専門的な知識やスキルを必要とする分野です。数学や統計学、プログラミングなどの基礎知識が必要であり、学習には時間と努力が必要です。こうしたデータサイエンティストに求められる広範なスキルの整理・獲得をサポートするのが、当協会が提供しているデータサイエンティスト検定(以下、DS検定)リテラシーレベルになります。

以下は、DS検定リテラシーレベルの認知率です。

 

 

2023年は13.9%だったのに対し、2024年には15.6%に拡大しています。これには、上述したデータサイエンティストの認知率が増加していることとも関連がありそうです。多様な認知のルートがあるかと思いますが、その一つとして本検定を受験する、といった流れが増えると、よりデータサイエンティストという職種の発展につながるかもしれません。

私自身、企業内人財育成に携わっているため、データを利活用することの面白さと難しさを、研修をご受講いただいた方に体験的に理解してもらえるように、研修やワークショップを実施する中で、データサイエンティストの認知拡大に貢献していきたいと思います。

 

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会

株式会社日立アカデミー 渡部寛隆

データサイエンティストをめぐる環境の違い 2024年版〈一般ビジネスパーソン調査の国際比較〉

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