2024.10.08

Data of Data Scientist シリーズ vol.61『日本:5.4%(昨年比+1.2%)、アメリカ:27.2%(同+11.8%)-生成AIの利用率』

データサイエンティスト協会では、一般ビジネスパーソン向けのアンケートを毎年実施しています。昨年の調査ではアメリカにおける調査が追加されましたが、今年はアメリカに加えインド、ドイツでも同様の調査を行い、より広く世界と日本のデータサイエンティストを取り巻く環境について比較することが出来るようになりました。

データサイエンティストをめぐる環境の違い 2024年版〈一般ビジネスパーソン調査の国際比較〉

昨年も「生成AIの業務での活用状況」結果を整理した( https://www.datascientist.or.jp/dssjournal/dssjournal-1936/ )のですが、今回も同じテーマで昨年から世界各国の生成AIの業務活用の状況がどのように変化したのかを報告します。

 

2024年の一般ビジネスパーソン向けアンケートにおいて、「「生成AI」のツール・アプリ・ソフトなどをご自身の業務で使っていますか。」という質問に対する回答結果が以下になります。

業務利用率はインドが最も高く、続いてアメリカ、ドイツ、日本という結果になりました。

インドでは生成AIの業務利用率が50%に達しようとしており、アメリカやドイツでも回答者の半分以上が自社で生成AIを使っている、または利用を検討していると回答しています。対して、日本では生成AIを知っている人の割合はほとんど変わらないにも関わらず、生成AI利用を検討していない割合が非常に高いことが分かりました。

これには、保守的でリスクやイノベーションに対する態度が慎重とされる日本の国民性や、LLMの学習データには英語の文献が多く用いられており、英語の方が精度が高いと言われていることなど様々な要因が考えられます。

 

また、日本とアメリカにおける前年からの推移は以下のような結果となっております。

アメリカでは利用率が10%以上向上しているのに対し、日本では1%増と、あまり変わらない結果となりました。また、生成AIを知らない人が減ったにもかかわらず、検討には至っていないことが前年の比較からも見て取れます。

 

まとめると、昨年に比べ、日本のビジネスパーソンの場合、生成AIを知っている人の割合は世界と比べても遜色ないレベルにまで達していますが、実用を検討している割合は低いという結果になりました。

皆さまの企業の生成AIの利用状況はいかがでしょうか?

生成AIには様々なユースケースが考えられ、企業の事例も集まりつつある現在、この記事をきっかけに生成AIの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会

株式会社キーウォーカー 鳥越希

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