2024.05.10

Data of Data Scientist シリーズ vol.53『29% - 大学生の生成AI利用率』

Data of Data Scientist シリーズ vol.53『29% - 大学生の生成AI利用率』

データサイエンティスト協会では、2023年に学生向けにデータサイエンティストに関するアンケート調査を実施いたしました。今回は、学生の生成AIの認知、利用状況について考察します。

大学生向け「データサイエンティスト」に関する2023年調査結果を発表:https://www.datascientist.or.jp/news/n-pressrelease/post-2828/

学生向けアンケートは今回が4回目となりますが、生成AIに関する設問は今回が初めてとなります。生成AIブームのきっかけとなった「ChatGPT」が2022年11月に公開されました。今回のアンケートは2023年12月に実施されたため、公開から約1年後の学生の認知・利用状況となります。生成AIの活用シーンは様々あり、また企業における業務での活用も進んでいますが、大学生でも活用は進んでいるのでしょうか。

これまでに「生成AI」のツール・アプリ・ソフトを使ったことのある大学生は29%という結果となりました。公開から1年程度ですでに30%近い学生が生成AIを使っています。学年別では大学1年生での利用が最も高く36%、その後学年が上がるにつれて利用率は下がる傾向となり、大学4年生の利用率は23%と最も低くなります。なお、修士・博士課程の利用率は35%と高めとなっています。一方で、「生成AIを知らない」という学生は25%という結果となり、こちらは学年が上がるにつれて低くなる傾向となっています。

では、学生はどういったシーンでこの生成AIを使っていたのでしょうか。学業で使ったことがあるのは68%、プライベートで使ったことがあるのは56%となっていますが、その学業ではどのようなシーンで使っていたのかがこちらの結果となります。

活用シーンの上位は、「論文や教科書の要約」の40%、「レポートや論文の作成、添削」の37%となっています。

講義や研究においては欠かすことのできないレポートや論文への生成AIの活用が最も高くなっている結果となりました。学びの中でもこの生成AIが身近な存在になっていると言えます。それ以外の活用シーンとしては「アイデア出し」の31%、「テスト問題や宿題の解答補助」の29%と続きます。

 

まだ生成AIを知らない学生は25%となっていますが、公開から1年ほどの経過となるため今後は認知もさらに拡がり、そこから利用もさらに増すと考えられます。様々な活用シーンがある中でも、論文の要約やレポート作成・添削での活用が最も高い現状ではありますが、今後学業における活用シーンがどのようになっていくか引き続き動向調査を実施したいと思います。

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社金融エンジニアリング・グループ 塩谷周久

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