2018.09.20
委員会便り 第14号 「夏休みの自由研究はこれで決まり!親子でデータサイエンスin逗子」開催!【後編】
■今号の目次
(1)フィールドワークは候補地ごとに分かれて!―立てた仮説と調べたデータは一致するのか?―
(2)仮説検証の結果―どの候補地に出店するかクラス全体で討議する―
(3)発表資料を作ってみよう!
(4)学びはここで終わらない―夏休みの自由研究を考える!ドラゴンボールの孫悟空は、ワンピースの世界だと何億ベリーの懸賞金になるのか?―
(5)おわりに―真夏の夜の夢は続く―
(6)お知らせ
フィールドワークは候補地ごとに分かれて!―立てた仮説と調べたデータは一致するのか?―
フィールドワークでは、実際に候補地に行き、自分たちが事前に考えた仮説を検証するために情報収集します。
子どもたちは色々なやり方で情報収集しています。
コンビニの候補地とライバル店の店舗面積をおおよそ測るために、大股歩きで何歩なのか測定。
学校に戻ると大股歩きの一歩が何cmなのか測りました。
単位時間当たりの交通量を調べるので携帯で時間を計ってほしい。
子どもと一緒に「正の字」で数えていきます。
自動車とタクシーとバスはそれぞれ何台だったか、内訳も記録。
自動車とタクシーとバスはそれぞれ何台だったか、内訳も記録。
データには属性があって、データ入手時に分かるようにしておくことで後々データハンドリングしやすいように、自然と手を動かしています。また、候補地近くの寺院、教会などランドマークとなりうる場所もあわせて交通量を調べています。
単位時間当たりの店前交通量(車両、人)、来店率、店内人数、店舗敷地面積・・・
こちらからは特に教えた訳ではないのですが、委員会メンバーと子どもたちとの対話によって、子どもたちの思考が広がっていきます。フィールドリサーチの時間はあっという間に過ぎ、様々な情報を入手して学校に戻りました。
仮説検証の結果―どの候補地に出店するかクラス全体で討議する―
(まだまだ記事は続きます!是非ログインしてお読みください)
まずは、候補地に分かれて調査したメンバーと情報を共有します。
・事実を並べるだけなく、候補地による違いがあるのか
・違いとあるとしたらどういう情報で違いが出たのか
・その違いはどういう意味を持つのか
といったことを対話していきます。
調査する前に想定していた、「道路を挟んで交通量は違うと思うから、この候補地は適さないかも」という仮説は、意外にも駅の改札がある歩道と、道を挟んだ反対側の歩道側で、駅方向に向かう、駅から離れるという人の流れの向きも含めて交通量を調べましたが、いずれもおおよそ同等量であることが分かりました。
発表資料を作ってみよう!
ファシリテーターの大黒さんから、グループで発表資料を作ってみるよう促されました。
提示した論理構成の枠組み
「どんな情報を重要視したか」
「その情報を重要視した理由は何か」
「考察した結果、どの候補地が良いか」
手書き地図にデータをプロットする簡易的なデータビジュアライズをしつつ論点整理をしたグループもあれば、候補地ごとに自分たちが考えた指標をもとに比較したマトリクス表を準備するグループもありました。子どもたちは、スキルチェック項目の1つにある「論理的思考 ★ ドキュメンテーション:1つの図表〜数枚程度のドキュメントを論理立ててまとめることができる」かチャレンジしています。
サポートのスキル委員が「まとめ方をどうアドバイスしようかな?」と考えている中、子ども自らマジックを走らせ「絵を描いた方がわかりやすそう!」と言いながら調査結果をVisualizationする姿は、もはや立派なデータサイエンティストです(しかも絵が分かりやすい!)。
子どもがまとめた最終発表資料(わずか30分程度のグループワークの成果とは思えない仕上がり)
続いて発表です。グループごとに作成した資料を掲げながら発表していきます。ファシリテーターの大黒さんから、発表内容のどういう点が興味深いか、どんな観点が相手に共感や納得感があったか、どういう工夫が凝らされているかなど、学びを促すフィードバックがありました。
学びはここで終わらない―夏休みの自由研究を考える!ドラゴンボールの孫悟空は、ワンピースの世界だと何億ベリーの懸賞金になるのか?―
ワークショップはここで終わりません。本来学びとは、知識や気づきを得るだけでなく、自分の日常(ビジネスパーソンであれば実務など)で実際に試してみること、そこからさらに得られたことを抽象化・メタ化して自分の中に取り組むことで学びのサイクルが回ります。今回のワークショップでは、自分の日常で実際に試すことを「夏休みの自由研究の研究計画を立てる」こととして、最後に研究計画のアイディア出しをしました。
夏休みの宿題に取り組みなさいと言われると「面倒だなぁ」「遊びたいなぁ」と思うかもしれません。ところが子どもたちはここでも目をキラキラさせながら、早速取り組み始めます。ある子どもは「近所の池に行って、どんなプランクトンがいるのか調べたい。そのとき、池の特長(水の色、水草の違いなど)と関係があるか調べたい」と言って、手元の紙にマトリクス表のイメージを書き始めました。別の子どもは「大好きな漫画の主人公の強さを特定の指標で揃えたら、どちらが強いのか比較してみたい」と言って、どんな指標でそろえることができるか考え始めました。
ワークショップの最後はスキル委員の森谷さんより総評とお礼の言葉を伝えました。また、データサイエンティスト協会事務局の小島さんが作成した表彰状と、データサイエンティスト協会関係者だけに配られる特製ステッカーとともに参加した子どもたち一人ひとりに渡しました。
おわりに―真夏の夜の夢は続く―
「コンビニのデータサイエンティストになってみよう!~どこにコンビニを立てる?」という題材で約半日のワークショップは無事に終了しました。校長先生からは、子どももおうちの方も「とても楽しかった」「学びになった」と喜んで帰られたと伺いました。また、校長先生からはもっとたくさんの人数を集めて、もう一度開催したいと嬉しい相談もありました。一方で、夏期講習の時期との重複、連日の猛暑など開催時期の妥当性など、企画・運営面の課題も浮き彫りになりました。今回のワークショップの企画・運営に携わったメンバーで当日の夜に慰労会も行い、お互いを労いました。
~ワークショップ企画・運営に携わった方々~
ワークショップ企画
:スキル委員会佐伯さん、森谷さん、菅さん、原茂さん、大黒さん、田中さん
:企画委員会斉藤さん、眞鍋さん
:協会事務局小島さん
ファシリテーター
:スキル委員会大黒さん
ワークショップ運営
:企画委員会瀧山さん、古手さん
ワークショップ参加者
:聖マリア小学校の皆さん
スキル委員 田中
編集後記―小さな一歩は大きな飛躍となるのか
数ヶ月に渡る企画・運営準備、猛暑日が続く中でのワークショップなど実現への道のりは決して平坦なものではありませんでした。ワークショップの企画・運営に携わったメンバーにも大きな学びとなりました。何より参加した子どもたちが、科学に興味を持ち、データのチカラを解き放つことに楽しみながら取り組まれたことが大きな収穫でした。
また、聖マリア小学校の関係者の皆さまには、夏休み期間中にも関わらず、様々なサポート頂いたことを改めて感謝申し上げます。
ワークショップは今後も続けて参ります!
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