2018.09.11

委員会便り 第13号 「夏休みの自由研究はこれで決まり!親子でデータサイエンスin逗子」開催!【中編】

スキル委員会の田中です。こんにちは。

7月末に逗子の私立小学校で開催した、小学生とおうちの方が一緒にデータサイエンスに触れるワークショップの【前編】12号の続編【中編:当日のフィールドワークへ行く前に】をレポート致します!

親子でデータサイエンスの様子

■今号の目次
(1)天気に恵まれるワークショップ―連日猛暑日が続くも当日は33度(でも暑い!)―
(2)データを眺め、気づき、洞察する
(3)グループでアイデア出し―仮説となりうる要素―
(4)お知らせ

天気に恵まれるワークショップ―連日猛暑日が続くも当日は33度(でも暑い!)―

いよいよ当日。ワークショップの企画・事務局メンバーは11時にJR逗子駅に集合しました。気温は33度、連日の猛暑日*1と比べると涼しいと思えるから人間とは不思議なものです。聖マリア小学校に到着すると、校長先生自らお出迎え頂くなど熱烈歓迎されました。嬉しい気持ちも束の間、体調不良で参加者が1名減るとのこと。元々は子どもとおうちの方とがペアになるようグループ編成していたのですが、ここで急遽、子どもと委員会メンバー、おうちの方と委員会メンバーがペアとなるようにグループ編成を組み替えることにしました。これによって、子どもチーム、おうちの方チームによる競い合いができるようになりました。

*1:最高気温が35℃以上の日を猛暑日
国土交通省気象庁 気温について:http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq3.html

ワークショップの舞台裏:会場と設営の様子(写真左は設営作業中のスキル委員の森谷さん)

ワークショップの舞台裏:会場と設営の様子(写真左は設営作業中のスキル委員の森谷さん)

ワークショップスタート!―徐々に打ち解ける参加者と委員会メンバー―

ワークショップスタート!冒頭は企画委員会の斉藤さんより挨拶。会場には、まだ色々なドキドキが漂っています。子どもたちは礼儀正しく座っています。今回のワークショップのファシリテーターは、スキル委員会の大黒(だいこく)さんです。

スキル委員会の大黒さん

普段から教育事業に携わっており、またCSR (corporate social responsibility)の一環で地元小学校でのワークショップもしているだけあって、子どもたちの目線にたった立ち振る舞いはさすがです。
本日のワークショップのタイムスケジュールとお題は次のとおりです。なかなか盛りだくさんな上に難しそうですね。

今日の流れ
考えてみよう

ワークショップの配布テキストより抜粋

データを眺め、気づき、洞察する

ワークショップの会場で配布した資料はパワーポイント形式のテキスト資料以外にも、RESAS*3から得られる近隣の人口メッシュ情報、各種Webサイトから入手可能な、時間ごとの混雑マップ、最寄駅の乗降客数や月別観光客数のマトリックス表など、たくさんの補助資料があります。

情報のありか、住んでいる人の数

ワークショップの配布テキストより抜粋

大人でも、うっかりするとデータの海に溺れてしまいそうです。ところが、子どもたちは目をキラキラさせながら資料を眺め始めます。

*3:地域経済分析システム(RESAS:Regional Economy (and) Society Analyzing System):https://resas.go.jp/

さっそく、参加者の一人から興味深い示唆が出てきます。

大人
「逗子海岸が近いので、ゴールデンウィーク(5月)とか、夏休み(8月)の観光客数が多いのは分かるけど・・・」

子ども
「けど、なんで10月と11月がその次に多いのだろう・・・?」

大人
「あっ、そう言えば確かに・・・(気づいてなかったなぁ)」

自分の中にある一般論や知識を出すことは決して「考える」こととは言えません。あくまで、そこにあるデータを眺め、気づき、洞察する。子どもたちは、まるでスキルチェック項目の1つにある「データ可視化 ★ 意味抽出:データの性質を理解するために、データを可視化し眺めて考えることの重要性を理解している」かのようです。

おとなも一緒に考えます。

おとなも一緒に考えます。

グループでアイデア出し―仮説となりうる要素―

ファシリテーターからは、グループの仲間たちで、どんな情報があれば候補地を決めやすくなるのか、アイディアだしをするよう促されます。目の前のデータに飛びつくのではなく、まずは考える。考える上で仮説となりうる要素を洗い出し、仮説を検証できる情報にはどのようなものがあるかを想定する。ファシリテーターによって、グループのアイディアが膨らんでいきます。

子ども
「候補地のそばには、道を挟んで反対側にライバル店があるよ」

子ども
「道路を挟んで交通量は違うと思うから、この候補地は適さないかもしれないなぁ」

大人
「じゃぁ、道路を挟んでそれぞれの交通量を調べてみる?」

子ども
「駅も近いし、バス停も近いから、車の量と、歩いている人の数を数えたい!」

大人
「どうやって数えようか?」

子ども
「えぇっと、1分間で通る車と人をそれぞれ数える!」

大人
「候補地は3箇所あるけど、どうする?」

子ども
「一番気になる候補地に自分は行きたいけど、ほかの候補地も調べて比較したい!

この子どもは、自分が気になる候補地だけではなく、複数の候補地を同じ指標で比較する重要性に気づいています。すでにデータサイエンティストの素養があると思います。
この子どもはさらに、複数の資料を重ねて見始めました。どうやらそれぞれの資料が同じ逗子駅前の地図で、異なる情報がプロットされている事に気づいたためです。

子ども
「ねぇねぇ、こうして紙を重ねて透かして見ると候補地のそばにどんなお店があるか分かるよ」
大人
「どれどれ・・・。本当だ。」

子どもに言われて重ねて透かして見ている様子

子どもに言われて重ねて透かして見ている様子

ライバル店の有無についは、メリットとして、

ライバル店があるってことは、それだけ人気がある場所なのかも。
どんな品物をおけばいいか参考にできそう。

デメリットとして

でも、お客さんの取り合いになっちゃうかも。

と仮説設定とその効果まで想像が膨らみ、「早く候補地をみにいきたーい!」、「三か所全部まわりたい!」と現場を見る重要性も肌で感じ始めています(「暑いから役割分担しようよ」と、スキル委員の方が腰が重かったり・・・)

グループのアイディアだしは尽きないのですが、ここで調べたい情報を整理してその上で候補地を手分けして調べることにしました。

スキル委員

スキル委員

編集後記―親子でデータサイエンス記事、次号で最終回

今回の記事はここまで。次回は実際にフィールドワークを行います。子供たちがどのようにデータを取得するのか、どのような発表になるのか楽しみですね!次号も見逃せません!

お知らせ

  • スキル委員会では、「データサイエンティスト」に関するご質問を募集しています。皆様から寄せられた質問につきましては、「教えて!DS」コーナーや、この「委員会便り」にて、スキル委員からの回答を添えてご紹介させていただく予定です。ご質問はこちらまで。
    スキル委員一同、皆様からの質問を楽しみにお待ちしております。
  • 地域のコミュニティカレッジやカルチャーセンターに携わっている方でワークショップにご興味のある方はこちらまで。
  • 次号もどうぞお楽しみに!
カテゴリ
アーカイブ
記事アクセスランキング
タグ