2016.12.01
委員会便り 第10号 「大学での講演活動を御紹介します」
皆さま、こんにちは。
めっきり寒くなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
おかげさまで、この委員会便りも節目の第10号を迎えました。
今回は、当サイトで続々公開されている、スキル委員による著名人へのインタビュー記事と、大学での講演活動について御紹介します。
■今号の目次
(1)インタビュー記事、絶賛公開中!
(2)大学での講演活動をご紹介
(3)お知らせ
インタビュー記事、絶賛公開中!
委員会便り 第6号 「インタビュー、ぞくぞく公開中!」では、スキル委員会インタビューチームによる、データサイエンスの最前線で活躍される著名な方々へのインタビュー記事を御紹介しましたが、その後も、多くのインタビュー記事が追加されています。今回は、2016年10月以降に公開されたインタビューを御紹介します。データサイエンティストとしてのスキルをどのように獲得したか、データサイエンティストを目指す方へのメッセージなど、第一人者の方々への貴重なインタビューの数々、じっくりとご覧ください!
客観と主観を組合せ、統計コミュニケーションを駆使しよう
Preferred Networks 丸山宏 氏
「分野跳躍力」でこれからのデータサイエンスを生きよ(後篇)
統計数理研究所 樋口知之 所長
自らの仕事をどうやれば機械に置き換えられるかを考える
DataRobot, Inc. シバタアキラ 氏
統計はデータと人間のインターフェース
統計数理研究所 中野純司 先生
乱読より精読を
中央大学大学院客員教授 朝野熙彦 先生
素振り500回の極意 データに生命が宿るまであきらめずに眺める
日立製作所 研究開発グループ技師長 矢野和男 氏
(上記を含む、当サイトに掲載中のインタビュー記事の一覧はこちらからご参照いただけます)
大学での講演活動を御紹介
今年、スキル委員会が注力した活動の一つに、大学での講演活動があります。データサイエンティストの認知度を向上し、データサイエンティストを志す学生を増やすため、数名のスキル委員からなる通称「大学チーム」が、首都圏のいくつかの大学やイベントで、学部生・大学院生を対象に講演を行いました。
【今年、スキル委員による講演を行った大学・イベント】
筑波大学、明治学院大学、電気通信大学、慶応義塾大学、東京工業大学、株式会社アカリク主催セミナー
(2016年11月現在・順不同)
ここからは、その一部をご紹介したいと思います。
(…続きはログインしてお読みください)
データ社会に求められる新しい才能とスキルとは(於・明治学院大学様)
明治学院大学の高橋青天教授と、スキル委員の関口さんがお付き合いのあったご縁から、高橋教授の講義でスキル委員の中林さんと関口さんがゲスト講師を務めました。中林委員は、膨大なデータの宝の山から、これまでは得ることの難しかった「洞察」を発掘するデータサイエンティストは目指す価値のあるすばらしい職業であると説明。また、関口委員は、データ社会に求められる才能とスキルについて解説しました。
データ分析において重要なこと(於・電気通信大学様)
電気通信大学では、「データサイエンティストとしての素養を持ち、新たな価値を生むビジネスを創出できる人材の育成」を掲げ、2015年度より「データアントレプレナープログラム」を開講しています。そのなかの一科目「データサイエンティスト特論」では、当データサイエンティスト協会の法人会員に所属するデータサイエンティストの方々が講師を務めました。11月2日に行われた講義ガイダンスでは、スキル委員の菅さんから、データサイエンティスト協会の活動、データサイエンティストが実務で扱うデータやプロジェクト事例の紹介とともに、「データ分析において重要なこと」が伝えられました。
<データ分析において重要なこと>
- 分析しようとする問題そのものについての理解
そのデータの意味やその背景にある状況が分からなければ分析方針を決められない。分析課題の整理からはじめ、問題そのものやデータについての理解を深める。 - 分析手法についての理解
分析すれば「それなりの結果」は出てしまうが、分析手法を理解していないと、相応しくない分析をしていたときに気づかない。 - 分析結果に対する判断力
予想通りか?予想外か?
データの取得方法や処理方法が間違っていたのか、分析手法が間違っていたのか?
見極めが必要。
⇒想定外の結果が出たときこそ、柔軟に頭を働かせて様々な可能性を考えるべき
(参考:ALBERT社「データ分析とは」)
菅さんにコメントをいただきました!
菅
私からは、「データ分析において重要なこと」というお話をしたのですが、ご参加くださった皆様はたいへん熱心にお聞きくださったように思います。
また、今回の演習で使用するデータを提供していただいた企業様による事業説明やデータのご説明のときには、皆さんとても真剣に説明に聞き入っておられ、このプログラムに対する皆さんの熱意を感じました。これから何回かに渡りグループに別れて実践的な取り組みが始まりますが、各チームの発表を伺うのが今からとても楽しみです。
※「データサイエンティスト特論」では、次の法人会員の皆様からご協力いただきました。
ALBERT様、SAS様、FEG様、NEC様、日本サードパーティ様、博報堂DYメディアパートナーズ様、ヤフー様、Rejoui様、ブレインパッド様
また、日本マイクロソフト様には、演習で使用するAzureの環境をご提供いただきました。ありがとうございました。
データサイエンティストがなぜ今必要か(於・アカリク様イベント)
去る11月12日、大学院生・研究者・エンジニア向けの就職サイトを展開されているアカリク様主催のイベント「データサイエンティストを知るセミナー」が開催されました。現役データサイエンティストの方々が、その仕事内容や将来性などについて講演するというこのイベントでは、「データサイエンティストとは?」と題する基調講演で、スキル委員の大黒さんが登壇されました。
「情報産業革命」といえる現在、世界的にはコンピュータサイエンスを専攻する学生が増加する一方で、日本には新しいリソースを使いこなす「人」が全く足りていないという現状を踏まえ、
- データサイエンティストがなぜ今必要か
- データサイエンティストには何が必要か
- スキルを身につけるにはどうすればよいか
について講演が行われました。
※講演の最後には、データサイエンティストに求められるスキルをWebでセルフチェックできる「スキルチェックテスト(かんたんバージョン・フルバージョン<β>)」も紹介されました。スキルチェックリストと合わせて、こちらも是非お試しください!
イベントを終えられた大黒さんに感想をうかがいました。
大黒
今回登壇された各社のデータサイエンティストの方々は、業界も様々で、ゲームアプリでのユーザー行動分析だったり、リサーチ会社の購買分析だったり、不良品検査の分析だったりとひとえに分析といっても多岐にわたること、会社によって関わり方が全然違うことを比較できるよい機会でした。
「専門知識がない方が納得できるように伝えることが重要」だと、皆さん口をそろえておっしゃっていたのが印象的でした。
今後も、スキル委員会のこうした取り組みについて、この委員会便りでご紹介させていただく予定です。どうぞ、ご注目ください!
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関口委員
学部の2年生が対象だったこともあり、仕事や職業に対するイメージがまだあまりない学生も多かったと思いますが、みんな関心をもって講演を聞いてくれていました。終了後に「もっと具体的な話を聞きたい」と質問も受けるなど、データサイエンティストという仕事について、学生の皆さんに知っていただくよい機会になったと思います。今後も、ビッグデータやデータサイエンスについて初心者でも分かりやすく興味を持ってもらえるように、理系の大学院生のみならず、文系学生や一般の方にも、こういう話をする機会があればどんどんお役に立ちたいですね。