2021.06.10
Data of Data Scientist シリーズ vol.15『54%-学生におけるデータサイエンティストの認知度。地域による差が大きい』
データサイエンティスト協会では、2020年に学生向けにデータサイエンティストに関するアンケート調査を実施いたしました。今回は、学生のデータサイエンティストの認知実態について考察します。
アンケートでは、データサイエンティストのほかに、システムエンジニアやコンサルタントなど5つの職種についての認知度を調査いたしました。その結果、データサイエンティストの認知度はその5つの職種で最も低い結果となりました。
「確かに知っている」は9%ほどとなり、知っている学生は54%ほどに留まります。システムエンジニアやコンサルタントと比べると認知度に大きな開きがあることが分かります。データサイエンティストという言葉・職種自体がここ10年内に出始めていることもあり、まだまだその認知が学生全体には知れ渡っていない状況にあると推察されます。
学生全体のデータサイエンティスト認知度は最も低い結果となりましたが、学生はどこでデータサイエンティストを知るようになっているのでしょうか。学生全体では、テレビやインターネットなどを通じてデータサイエンティストの認知が図られていますが、「確かに知っている」学生では、“大学の先生”や“本・雑誌”、また“就職説明会”などを通じても認知されるようになっています。ゼミに参加することで大学の先生からその存在を知り、また学びの中で書籍から情報を得ていると思われます。また企業においては、AIやDX、データ利活用と言ったワードが使われるようになり、就職活動の企業研究を進める中で知り始めていると考えられます。
当協会では2019年に九州支部を設立するなど、首都圏などに限らず、データサイエンティストの活躍の場を広げようとしています。しかしながら、学生における地域別の認知度の差は大きいことが分かりました。最も認知度が高いのは1都3県となっており、70%弱の学生が知っています。一方で東海地方では30%ほど、九州・沖縄地方では45%ほどの学生でしか認知されておらず、地域差が如実に表れています。大学においては、データサイエンス学部の設立やデータサイエンスへの取り組みが活発化しており、今後はそうした取り組みからデータサイエンティストの全体の認知度は向上することが想定されます。しかしながら、単なる大学だけの取り組みだけでこうした地域差が縮まるでしょうか。大学だけの取り組みだけではなく、企業側からも大学や学生への働きかけがより一層求められるかもしれません。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社金融エンジニアリング・グループ 塩谷周久
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