2021.06.22
Data of Data Scientist シリーズ vol.16『77%-社内にデータ分析人材の育成プログラムがない割合』
データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けに毎年アンケート調査を実施しています。今回はデータサイエンティストの育成を切り口に考察します。
2020年度の調査では、自分が所属する組織に「データ分析・解析に従事する専門人材について独自の育成プログラムなどがある」と回答した一般(個人)会員は23%でした。残りの77%は、自社内にデータサイエンティストの育成プログラムがないということになります。2015年から2019年までの調査結果の推移は、「ある」と答えた会員が9%→13%→17%→23%と増加傾向にありますが、2019年から2020年にかけては同水準を維持するに留まりました。
データサイエンティストを自社内に在籍させる方法は、①社外から新たに確保する(中途採用・新卒採用)、②既存の人材を育成するのいずれかになります。
企業向けに実施した調査によると「①社外から新たに確保する(中途採用・新卒採用)」は2019年から2020年にかけて、増加傾向が見られました。データサイエンティストに対して、企業側の中途採用のニーズの増加が見受けられます。ただし、2020年度はコロナの影響もあってか、そもそも増員した企業が減少しており、必ずしも転職市場にデータサイエンティストが増加したとは言い切れません。
「②既存の人材を育成する」は、経済産業省の「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート2(※)」にて、リスキリングと呼んでいます。組織内で継続的かつ頻繁にスキルをアップデートできる場を提供することで、転職・新卒市場の充足度に関わらず必要な人材を確保することができます。
(※) 経済産業省「DXレポート2(中間取りまとめ)」
2020年度の調査では「社内の異動・育成」によるデータサイエンティストの増加は、2019年度比で低下が見られました。これは、リスキリングよりも新卒・中途採用を重視するようになったとも捉えられますが、一方で先の一般(個人)会員向けアンケートの結果も照らし合わせると「自社内での育成体制が十分でない」という可能性も考えられます。
2020年度の調査では、転職検討者は減少中との結果も出ています。今後のデータサイエンティスト人材確保においては、リスキリングや流動性の高い組織構造など、既存の人材の育成や活用がより大きな課題になって行くかもしれません。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社日立アカデミー 澤晃平
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