2021.11.22
Data of Data Scientist シリーズ vol.24『52.3%-データサイエンティストの転職意向』
データサイエンティスト協会で実施した一般(個人)会員向けのアンケート調査から、データサイエンティストとして働いている人たちの「転職意向」を時系列で比較してみました。
図の値は、現在、データ分析の業務に携わっている人が、転職について「現在検討している」あるいは「条件によって検討したいと思う」と回答した割合です。2015年~2018年の調査では転職意向が60%を超えていました。2019年になると転職意向は減少し50.0%となりました。2020年にはやや増加する傾向にあり52.3%という水準でした。
一般的な転職意向の水準については、様々な調査結果があるため、一概に比較することはできませんが、将来的な転職も含めると、40~50%程度の人が転職意向があると回答している例が多いようです。データサイエンティストの場合、他の職種と比較すると、転職意向はやや高めの水準であると言えそうです。
2020年の場合は、新型コロナウイルスの流行で、転職意向が高まったと言われています。コロナの影響で、現在の仕事や会社に不安を感じたり、コロナ禍の働き方について会社の対応に不満があることなどがきっかけとなっているようです。データサイエンティストの場合も、2019年から2020年にかけては、転職意向は微増であり、世の中の動きと同傾向にあると言えます。ただし、一般的な転職意向の高まりと比較すると、高まり幅は小さくなっています。他の職種と比べると、テレワークがしやすいこともあり、コロナにおける働き方の変化には対応しやすいことが、転職意向が高くならない方向に影響していると考えられます。また、データサイエンティストの場合は、自身の仕事に将来性を感じている割合が高いため、コロナにおける将来不安から転職を考えるという意識は低いと言えるのではないでしょうか。
日本の社会においても、終身雇用から、転職することが当たり前になってきています。データサイエンティストは新しい職種でもあり、企業側も中途採用を積極的に行っています。実際にデータサイエンティストとして働いている人の転職意向は今後も注目される指標となるでしょう。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会 委員長
株式会社野村総合研究所 塩崎潤一
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