2022.02.17

Data of Data Scientist シリーズ vol.25『56.5%-始めからデータサイエンティストを目指していた割合』

データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けに定期的なアンケート調査を実施して、データサイエンティストの実態を把握しています。今回は、2021年12月に実施した「データサイエンティストのキャリアパス」について調査した結果を整理しました。

現役のデータサイエンティストが、最初からデータサイエンティストを目指していたかどうかを調査した結果が以下のグラフです。最初から積極的に目指していた人の割合は56.5%でした。半数以上の割合で、最初からデータサイエンティストになりたいと思っていた人が、現在もデータサイエンティストとして働いています。他の職種と比較はできませんが、比較的、歴史が浅い職種ということもあり、データサイエンティストの場合は、最初から目指していた人の割合が高いといえるのではないでしょうか。
また、半数弱の人は、特にデータサイエンティストを目指していませんでした。積極的ではなかった人の割合は19.8%で、どちらともいえない人が23.8%となっており、嫌々ながらデータサイエンティストになったというよりは、なんとなくデータサイエンティストになった人が多いと言えるでしょう。

データサイエンティストを目指していたか

次に、データサイエンティストとして働くようになった「きっかけ」を調査した結果をみると、「自分の業務で必要になったため」と回答している割合が最も多く34.0%でした。従来の業務の中で、新たに、データ分析が追加されるようになったといえるでしょう。2番目に多い理由としては「社内の部署異動」で19.7%です。データサイエンスの知識があるかないかは別として、新しくデータサイエンスを担当する部署へ異動することで、データサイエンティストとしてのキャリアを積んでいる人が多いと考えられます。また「転職」が15.0%、「社内募集への応募」が6.8%となっており、自ら選択してデータサイエンティストとしてのキャリアを形成している人もいることがわかります。

データサイエンティストになった「きっかけ」

データサイエンティストを積極的に目指していた人の具体的な理由としては、以下のような記述が多くみられました。
・データサイエンス学部を卒業し、そのスキルを活かしたかったため
・大学院で研究していた機械学習の知見を活かした職として行き着いたのがデータサイエンティスト
・大学生の頃から金融工学や統計学を学び、その延長線上でデータを扱うようになったため
・営業として仕事をしていたが、データ解析が今後トレンドの職種になると感じたため

 

また、一方で、消極的にデータサイエンティストになった人の理由としては、以下のような記述がみられました。
・社内に蓄積されたデータを基に新たな事業を立ち上げる部署に配属になったため
・研究開発テーマを進捗させる上で、データサイエンスの力が重要になったため
・業務を進める中で、データの詳細な解析が必要とされるようになってきたため

 

積極派の場合は、大学などで学んだ専門性を活かそうとした人が多く、消極派の場合は、社内異動などの会社都合がきっかけになっているようです。
今後は、大学においてデータサイエンスを学んだ学生が多く卒業してきます。そのため、最初から、積極的にデータサイエンティストを目指す人が増えてくるでしょう。データサイエンスに関する基礎知識をもった新卒の社会人が増えることで、企業におけるデータサイエンスの業務はますまず高度化していくことが期待されます。

 

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会 委員長
株式会社野村総合研究所 塩崎潤一

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