2022.05.30
Data of Data Scientist シリーズ vol.28『81%-業務が不満でも将来性を感じているデータサイエンティスト』
データサイエンティスト協会で実施した一般(個人)会員向けのアンケート調査から、データサイエンティストとして働いている人たちの「業務満足度」と「データサイエンティストという職種の将来性」の関係を分析しました。
データサイエンティスト協会の一般(個人)会員に対するアンケート調査結果では「現在のデータ分析・解析に関する業務について満足しているか」という質問に対して、「満足している」と「どちらかというと満足している」を合わせると42%の人が満足と回答しています。一般的な業務満足度と比べても特に高い割合ではありません。一方で、「データサイエンティストという仕事に将来性を感じますか」という質問に対しては、「将来性を感じる」と「どちらかというと将来性を感じる」を合わせると、84%の人が将来性を感じています。データサイエンティスト協会の一般(個人)会員として登録している人が調査対象、且つ就職先や転職先としてデータサイエンティストを検討している人も含んでいるため、「将来性」については高い割合になる傾向にあると考えられますが、それでも84%という値はかなり高い水準にあると言えるでしょう。
業務満足度については「満足していない」否定派の合計が31%も存在しているのに対し、将来性については「将来性を感じない」割合は4.4%となっており、将来性について「どちらともいえない」という人はいても、将来性を否定している人はほとんどいません。現在、データサイエンティストとして業務をしている人、していない人の両方で、データサイエンティストの将来性については、高い期待を持たれているといえます。
次に、データサイエンティストとして業務をしている人に限定して、業務を満足している人と、業務に満足をしていない人におけるデータサイエンティストの将来性を集計したものが以下の図です。
業務に満足している人が将来性を感じている割合は83%となっています。また、業務に満足していない人では81%です。将来性を感じてる水準に大きな差はなく、業務の満足度にかかわらず高い将来性を感じています。一般的には、業務に満足している人で、その職種についての将来への期待が高い傾向にあるといえそうですが、データサイエンティストの場合は、現在の業務に不満があっても、将来性については高い期待を持っています。現在の業務内容がつまらないと感じていても、将来には大きな期待をもっているのです。
データサイエンティストという名前だけを聞いて、将来性がありそうと期待している人も多いとは思いますが、実際に業務をしている人、さらには、実際の業務に不満を持っている人ですら将来性を高く評価している点がデータサイエンティストという職種の特徴といえるでしょう。年齢別でみても若い層における将来の期待度が高く、今後が楽しみです。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会 委員長
株式会社野村総合研究所 塩崎潤一
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