2022.06.22
Data of Data Scientist シリーズ vol.29『53.1%-資格取得で自己の成長を感じた・自信が持てた割合』
データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けのショートリサーチを定期的に実施しています。今回はデータサイエンティストの資格を切り口に調査しました。調査結果から読み取れる特徴について考察します。
資格は、特定の職務を遂行する上で必要とされる他、個人の知識・スキルを客観的に示すことができる指標として、業種・職種ごとにさまざまな種類が存在します。業種にも依りますが、就職や転職、人事考課などを有利にするために、資格を取得する方も多いでしょう。データサイエンス分野も、その注目度の高まりとともに、さまざまな資格が設立されています。では、データサイエンティストにとっての資格は、どんなものがあり、どのように活用されているのでしょうか。
下記の図は、データサイエンティストとして働く556名に聞いた、資格の取得状況です。グラフ右側の数値は、「取得済み」と「取得を検討中」の割合の和です。(両方にチェックを付けた方は取得済み側でのみカウント)
取得者が多いのはG検定(35.8%)で、データサイエンティストにとっては基本情報技術者試験(29.1%)よりもメジャーな資格になっているようです。「取得したい資格」を足し合わせると、統計検定(2級以上)(60.1%)が最も人気で、次いでデータサイエンティスト検定リテラシーレベル(44.6%)となりました。
AIや機械学習の基礎、具体的手法などエンジニアリング領域の内容が中心であるG検定を取得済みの方が多く、統計的手法を中心にサイエンス領域をカバーしている統計検定への注目も高まっていると捉えられます。また、ビジネス・サイエンス・エンジニアリングの基礎領域を網羅する必要がある、データサイエンティスト検定リテラシーレベルへの取得意欲も高まっているようです。
では、これらの資格取得により、データサイエンティストはどのようなメリットが得られるのでしょうか。下図は、資格を取得したことで得られたメリットを聞いた設問への回答です。収入・待遇につながったという方は、全体で4.7%に留まりました。就職・転職の成功も、同じく4.7%です。
データサイエンティストの職務は、資格による評価はまだまだ高くないと言えるかもしれません。ただし、別の問で組織からの支援制度について聞くと、取得の支援があるのは26.6%、取得時の一時金が出るのは23.4%となりました。業務遂行上の能力の保証や、顧客へのアピールなどでも活かせるため、会社としての支援体制、報奨金を用意しているケースは一定数存在しているようです。
また、メリットとして自己の成長を感じられた、自信が持てた方は53.1%となり、データサイエンティストとして自信を持って職務に臨む姿勢につながっていることもうかがえます。
データサイエンティストという職種に必要とされるスキルは多岐に渡ります。現場経験が重視されることも多い一方で、客観的に知識・スキルの有無を、能力別に示すことができる資格の取得は、業務上・キャリア上、有利に働くこともあると考えます。また、自由記述で多かった意見に、資格の取得のための学習を通して、データサイエンティストとしてのスキルが身についた、実務に役立てられたというものがありました。これからデータサイエンティストとして本格的にキャリアを築いていきたいという方も、資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社日立アカデミー 澤晃平
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