2022.07.14
Data of Data Scientist シリーズ vol.30『44%-資格取得に対する支援制度やインセンティブがあるデータサイエンティストの割合』
データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けのショートリサーチを定期的に実施しています。Vol.29に続き、データサイエンティストの「資格」を切り口にした調査結果について考察します。
データサイエンス技術へ注目の高まりとともに、関連する資格も近年増えています。Vol.29でも紹介しましたが、資格取得に対して支援制度やインセンティブを設けている企業は一定程度あります。今回聴取したアンケートでは、データサイエンティストの回答者全体(n=556)のうち、44%が何らかの支援制度・インセンティブがあると回答しています。
今回、この「支援がある」44%の回答者と、残りの56%の回答者を比較してみたいと思います。まず資格取得に対する動機について聴取した設問では、総じて選択率が高い傾向がありますが、特に「上司や同僚からの推奨があったため」が8ポイント高く(支援あり10%:支援なし2%)、制度面だけでなく、文化的な面でも資格取得をサポートする雰囲気があることが伺えます。また、資格取得の理由として「転職・就職のため」と回答した割合は、支援制度ありの回答者の方がやや低く(支援あり16%:支援なし17%)、現在の会社に満足しているデータサイエンティストが多いと言えるかもしれません。
また、今回聴取した16の資格の保有数について比較すると、「支援がある」回答者の平均2.1個に対して、残りの回答者は平均1.4個にとどまっており、1.5倍の差がありました。内訳をみると、資格を5個以上取得しているデータサイエンティストの割合は、7ポイント高く(支援あり11%:支援なし4%)逆に、資格を1つも取得していないデータサイエンティストの割合は、14ポイント低くなっていました(支援あり20%:支援なし34%)。支援制度の効果が、一部のデータサイエンティストに限定されることなく、全体的な底上げができているようです。
資格取得に対して支援制度やインセンティブを設けている企業のデータサイエンティストは、資格取得に対する動機付けがされており、かつ、実際に資格取得に成功している傾向にあります。データサイエンティスト育成が課題となっている企業において、このような資格取得を支援するような打ち手が有効であることを示す調査結果と言えそうです。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社野村総合研究所 田村初
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