2022.10.05
Data of Data Scientist シリーズ vol.35『23%-データサイエンティストの独自育成プログラムがある企業の割合』
データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けに毎年アンケート調査を実施しています。今回は、2021年度に実施した調査の結果について、企業独自の育成プログラムを切り口にして考察します。
2021年度の一般(個人)会員向けアンケートにおいて「あなたの所属する企業や組織では、データ分析・解析に従事する専門人材について独自の育成プログラムなどがありますか」の回答を集計すると、「存在する」と回答した割合は23%となりました。この数字は過去3年間と同水準であり、育成プログラムを備える企業の割合は頭打ち状態であることがわかります。
では、会員はどのようにしてスキルアップを行っているのでしょうか。「あなたが、データ分析・解析に関わるスキルアップのために現在取り組んでいることを教えてください」の回答を集計すると、「専門的な書籍を購入しての業務外での学習」と「インターネット・雑誌等での情報収集」の回答が7割弱と高くなっています。また、「eラーニング」、「資格の取得」の回答が増加傾向となっています。この回答の結果から、多くの会員は自ら書籍や情報を集めて学習する方法や、eラーニングなどの社外サービスの活用、資格取得によりスキルアップを行っていることがわかります。近年は、総務省や大学、大手企業がオンライン上で無料のデータサイエンス講座を提供する等、学習コンテンツが充実してきていることに加え、データサイエンスに関する新たな資格も多く生まれてきていることが、eラーニング及び資格取得と回答する割合が増加した背景にあるのではないかと考えられます。
一方で、同じ調査において、スキルアップする際の困りごとを調査した結果をみると、「手本になる・教えてくれる人が周囲にいない」の回答が63%、「育成プログラムがない」の回答が35%と、スキルアップのためのロードマップを求めている会員も多くいることがわかります。単独の企業での育成プログラムの実施は、取り組む企業側のハードルが高いかもしれませんが、今後複数の企業が協力して育成プログラムを実施するような事例が増えてくると、データサイエンティストの育成も、より進みやすくなるかもしれません。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ 白木悠一郎
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