2022.10.26
Data of Data Scientist シリーズ vol.36『49.3%-3年以上分析業務をしている人が棟梁以上のスキルを持つ割合』
データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けに毎年アンケート調査を実施しています。今回は、2021年度に実施した調査の結果について、データ分析業務従事歴とレベルの関係について考察します。
当協会では、データサイエンティストに必要なスキルセットとして「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つを定義し、それぞれのスキルごとに「見習いレベル」「独り立ちレベル」「棟梁レベル」「業界を代表するレベル」の4段階が定義されています。
この4段階のレベルのうち「棟梁レベル」は組織全体が抱える課題の対応を求められ、技術力のみならずリーダーシップやマネジメントといった能力を備える必要があります。では、この棟梁レベルに達するまでにはどれくらいの期間を要するのでしょうか。
以下の図は、スキルレベルをデータ分析業務の従事歴別にみたものです。スキルレベルは、現在のデータ分析・解析におけるスキルそれぞれがどのレベルにあるか尋ねたアンケートを、各スキルの最も高いレベルが個人のレベルを表すものとして集計ました。
データ分析業務の従事歴3年以上5年未満の人の中でいずれかのスキルが棟梁レベル以上にあると回答した人は26.9%。5年以上10年未満は40.3%、10年以上ともなれば70.0%であり、データ分析業務の長さに応じて棟梁レベル以上の割合は高まっています。また、3年以上としてまとめると49.3%、約2人に1人は棟梁レベルにあることがわかります。
以上の結果から、得意としたり従事したりする分野やスキル、業務によって異なりますが、データ分析業務に携わってから3年の経過から棟梁レベルの能力が備わってくる、もしくは組織から求められ始めるものと考えられます。
また、下図は現在のデータ分析・解析業務について満足しているか尋ねた結果を、同様にデータ分析業務の従事歴ごとに集計したものです。
こちらもデータ分析業務の従事歴が長くなるにつれて満足している(満足+どちらかというと満足している)人の割合が増加する傾向が見て取れます。一方で3年以上5年未満に属する人の割合が小さくなっています。これは担当プロジェクト・サービス全体の課題対応が求められる「独り立ちレベル」から、組織全体の課題対応が求められる「棟梁レベル」への移り変わりによる、求められる能力の違いや責任の大きさによる影響もあるのではないでしょうか。このことからもデータ分析業務の従事歴は「3年」がターニングポイントと考えられます。
この結果をもとに、データサイエンティストを目指す方は棟梁レベルに向けた3年間の学習や取組の計画立てをしてみてはいかがでしょうか。また、現在データサイエンティストとして働いている方はぜひデータサイエンティスト協会がまとめているスキルチェックリストを活用して、定期的に自分のスキルレベルを確認してみるとよいでしょう。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ 土井竜平
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