2023.04.28

Data of Data Scientist シリーズ vol.39『24%-データ分析・解析に関わるスキルが活用できている割合』

データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けに毎年アンケート調査を実施しています。
今回は、2022年に実施した調査の結果から、データサイエンティストが企業や組織内でどの程度活躍できているのか考察をいたします。

昨今、企業や組織ではデータをより活用しようという動きが高まってきており、内製化が進んできています。
そうしたことから、データ分析・解析人材を育成するプログラムを備える企業・組織は増加傾向にあり、2015年調査時では1割を切っていたものの、2022年調査では27%にまで増えていました。

 

データ分析・解析の目的

その一方で、スキルを「十分に活かせている」、「まあ活かせている」というポジティブな回答をしている人の割合は、2015年調査時には36%でしたが、2022年調査では全体の24%にとどまっています。特に2022年調査では性年代別で見ると10代・20代といった若年層においてスキルを活かせているというポジティブな回答をした割合が17%となっており他の年代に比べて低い傾向が見られました。

人材・スキル活用度

また、データ分析業務における業務満足度では、「満足している」と「どちらかというと満足している」と回答した人を合計した割合は、2020年、2021年調査では43%でしたが、2022年調査では37%と減少に転じていました。

 

業務満足度

これらのデータから、企業や組織がデータ人材を育成することに注力しはじめているものの、24%の人にしかスキルが活かされていると感じられておらず、業務に不満をかかえるという不幸な状態が生まれてきている現状がうかがえます。
大学などでデータサイエンス関連の学びの場が増えつつある今、データサイエンティストを目指す人も増えてきている中で、いかに企業や組織がデータサイエンティストのスキルを活かせる場をつくれるかが、今後の課題といえそうです。また、データサイエンティスト自身も、企業や組織の課題解決に自らのスキルがどう活かせるのかを考えていかなければならないのかもしれません。
様々な分野でデータ人材がより活躍できるよう、データサイエンティスト協会は引き続き活動を続けてまいります。

 

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社オリコム 友田彩子

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