2023.05.29

課題解決型人材コンテスト2022参加者インタビューvol.1

課題解決型人材コンテストは、データ提供企業に、リアルな業務課題とデータを提供いただき4ヶ月間のデータ分析の結果からアクションを提言するコンテストです。参加者がチームを組みメンターからアドバイスを受けながら、フレームワークに沿って課題・データ提供企業と合意形成するユニークな取り組みとなっており2022年も実施しました。(2022年の概要はこちら→https://techplay.jp/event/866862

『ビジネススキル向上のための課題解決型人材コンテスト2023』募集受付中!(~6/15 23:59まで)
詳細・お申し込みはこちら→https://techplay.jp/event/904455

今回は、昨年の課題解決型人材コンテストで、見事優勝したCチームのみなさんにコンテストを振り返って様々なお話を伺いました。

課題解決型人材コンテスト2022参加者インタビューvol.1

メンバー:株式会社分析屋 SES部 大箸 匠さん/株式会社クラレ 研究開発本部 瀬下 滉太さん/西日本電信電話株式会社 デジタルデータビジネス担当 出渕 弘さん/石油資源開発株式会社 低炭素化推進室 出口 幸治さん/IQVIA solutions 張祐瑄(Andy Chang)さん
メンター:日本アイ・ビー・エム株式会社 DataAndAIテクニカルセールス 河田 大さん
インタビューアー:DS協会 広報担当 真田/西牧

今回のコンテストに参加して良かった点、人に勧めたいと感じた点などについて教えていただけますでしょうか。

 

瀬下さん:自分の仕事と異なる業界のリアルな課題とデータに触れられる点がお勧めです。リアルな課題についてチームの人とディスカッションする、企業担当者の方との質疑応答で掘り下げていく過程は楽しかったですし、自分たちの考えた施策を実行していただける可能性があることは、かなりモチベーションにつながりました。

 

加えて同じチームのメンバーやメンターの論理的なものの考え方や施策につなげるアイデアによって視野が広がるのを感じました。自社と異なるデータサイエンティストがどのような考え方で、プロジェクトを進めているのかを知りたいという人には、このコンテストはとてもお勧めです。

 

真田:それでは、出渕さんはいかがでしたか?

 

出渕さん:瀬下さんも仰っていましたが、他企業のデータサイエンティストの方々と一緒に課題に取り組む機会が滅多にないので、様々なスキルを持った方々と一緒にアウトプットしながら学べるのは良い経験でした。

 

正直なところデータ分析のステップは地味で面白くないと感じてしまい、ついつい基礎分析を飛ばして機械学習モデルを作りたくなってしまいますが、そのたびにメンターの方から指摘を頂きました。最初は地味なので嫌々やっていましたが、終盤になると基礎分析をしっかりやったことで最終提案の質の高さにつながったことを実感しました。やはり一つずつしっかりこなすことが重要ですね。

 

このコンテストで大変だったこと、苦労したことはなんですか?

 

大箸さん:データサイエンスの部分である、モデル構築には非常に苦労した反面、もっともっと勉強したいと悔しさを胸に抱いています。データ量が3万件程度で高精度なモデルを作るには、正直なところ難しい部分はありましたが、それでももう少し自分に特徴量の設定や加工などでエンジニアリング力があれば、提案までに持っていける分析ができたなと感じています。また、チームで分析の定義を決める部分に焦点を当てなかったところも反省しています。個々で自分が行いたい分析の時間を多くしたのですが、ランクの定義がバラバラの状態で分析していました。どのブランドを中心に分析するかなど、共通認識を持つべきだったと反省しています。

 

出口さん:今回初めてチームでデータ分析を進める形の取り組みに参加させていただいて、スピード感が必要な中で全体を広く捉えることと、1つのことに集中して深く考えることのバランスを取ることの難しさを私自身の課題として強く感じました。それと同時に、行き詰ってしまった際にメンターの方に相談するのを躊躇してしまったのは、非常にもったいなかったと思いました。成長の機会を逃さないよう、これからも立ち止まってしまったときには、全体を見ることと積極的な姿勢を持つことを意識したいと思います。

 

また、毎週のチームミーティングの限られた時間で、自分の言いたいことを端的に伝えることができなかったことも課題だと感じています。きちんと言語化して伝えるコミュニケーションスキルの大切さも痛感しました。

 

真田:異なる業界の人たちが集まったチームでは、コミニュケーションスキルも重要なポイントの一つですね。

 

このコンテストを通じて学んだこと、普段の業務に活かせられそうなことはどんなところですか?

 

Andy Changさん:「型とメソッド」の考え方は普段の業務に活用できそうです。過去にいきなり予測モデルを作りたいと相談されたこともあります。それに対して、解決したい課題は本当に想定された内容なのか、予測モデルを作ってどれぐらいの効果があるか、以前より精確、数字ベースで提案・議論ができそうです。

 

ビジネスにインパクトを出すにはビジネス側がわかる言葉で話さないといけないという指摘にはすごく感心しました。このコンテストを通じて、意識のみならず、実際に経験できることはすごく貴重です。技術面に関して、Azure+Databricksの分析環境は初めて触ることで、将来社内外プロジェクトに活用できそうです。

 

瀬下さん:課題解決の力は早速活きていると感じています。私は普段、化学分野のデータを扱い、実験の効率化や新たな材料の探索に携わっています。そのため今回のテーマとは一見遠くはあるのですが、課題を整理し、データを使いながら実際のアクションにつなげていく過程は同じだと改めて感じました。その過程において自分より何倍も経験があるメンバーやメンターの考え方を学べたことは大きかったですし、刺激もたくさん頂きました。マーケティングにおける人間の行動に比べれば、普段触れている材料分野の課題は意外とシンプルなのではないかと思えてきたくらいです。

 

また付随して分析力やプログラミングの力も多くのお手本を参考にすることで向上できたと感じています。特に書いたコードを他の人とも共有できるようまとめていく力は今後社内でもますます重要になってくると感じているので普段の業務に活かしていければと考えています。

 

出口さん:お客様との信頼関係をしっかりと築きながら分析・施策の提案を進めていくことの大切さやそのためのノウハウをはじめ、たくさんのことを学ばせていただきました。

 

ビジネスオーナーの課題認識をまず手元のデータで基礎集計をして確かめることが最初のステップとして非常に大切だということを教えていただいたのが、私自身にとって特に大事な学びであったと思います。他にも、お客様と同じ目線に立って施策を考えることや、丁寧にコンセンサスを形成しながらステップを踏んで施策の提案まで繋げていくやり方など、ビジネス全般にも通じる大切なことを実際に体感しながら学べたことはとても良かったと思います。

 

いつも丁寧なご指導をしていただいたメンターの西牧さん、河田さんをはじめ関係者の皆様には大変お世話になりました。このような貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。

 

真田:最後にCチームのメンターを務めた河田さんにコンテストの感想をいただきたいと思います。今回のコンテストは如何だったでしょうか。

 

河田さん:メンバーの方も仰ってましたが、このコンテストは普段接点がない業界のリアルなお客様の課題とデータを使った分析ができます。そのため、単に精度を競う分析コンペとは違って、お客様にとっての本当の課題を考えられるのは貴重な経験になるはずです。今回も実データを分析しましたが、実データからインサイトをみつけるということは改めて難しいと実感しました。メンターとしてコンテストでは、メンバーの皆さんになるべく今後に活かせる発見を持って帰ってもらえればと気を付けていました。しかし、メンバーは異業界から、様々なスキルのお持ちの方が集まっています。その分それぞれの方に意義のあるメンタリングを行うのは苦労しました。

 

文中に発表で利用した資料(グラフの尺度は数字を無効化しています)

工場入江w機によるお客様グルーピング
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