2023.07.10
課題解決型人材コンテスト2022参加者インタビューvol.2
- インタビュー
- 課題解決型人材コンテスト
課題解決型人材コンテストは、企業にリアルな業務課題とデータを提供いただき4ヶ月間のデータ分析の結果からアクションを提言するコンテストです。参加者がチームを組みメンターからアドバイスを受けながら、フレームワークに沿って課題・データ提供企業と合意形成するユニークな取り組みを行っています。(2022年の概要はこちら→https://techplay.jp/event/866862)
昨年の課題解決型人材コンテストにご参加いただいたチームへのインタビューの2回目ということで、Bチームのみなさんにコンテストを振り返って様々なお話を伺いました。
Vol.1はこちら→https://www.datascientist.or.jp/dssjournal/2023/05/29/contest2022-interview-1/
メンバー:株式会社地層科学研究所 岩永 昇二さん/三井住友カード株式会社 平山 晃大さん/第一生命保険株式会社 藤川 隆文さん/三菱自動車工業株式会社 原口 尚樹さん/日本マルチメディア・イクイップメント株式会社 大津 亮也さん
メンター:日本アイ・ビー・エム株式会社 服部 翔大さん/株式会社電通 眞鍋 尚行さん
インタビューアー:DS協会 広報担当 真田
今回のコンテストに参加して良かった点、人に勧めたいと感じた点などについて教えていただけますでしょうか。
大津さん:実際のクライアントが抱える課題やデータが提示されるので、実践に近いレベルで取り組むことができました。また、様々な業界のメンバーと協力して取り組む機会があり、そのやり方や手続きが非常に参考になりました。さらに、個人では利用できないレベルの分析環境を用意いただいたため、実際に使ってみることでその使い勝手を体感することができました。
真田:ありがとうございます。岩永さんはいかがでしょうか。
岩永さん:実際の担当の方に話を聞くことができ、かつその会社の生のデータを使用して分析を行うことができて大変良かったです。分析の方法等も知見のある方やメンターの方の意見を聞けるのでお勧めしたいと感じました。一人で分析を行っても、一度そう思ったら考えを変更するのはかなりの労力を使用しますが、チームとして複数人いることで、いろいろな意見が聞けるのも魅力の一つだと思います。
このコンテストで大変だったこと、苦労したことはなんですか?
藤川さん:コンテストの問題はキックオフの際に提示いただきましたが、そこから解くべき課題の設定に時間がかかってしまいました。いきなりデータ分析をするのではなく、仮説を立てながらクライアントへのヒアリングを通じて解くべき課題を明らかにすることを試みましたが、クライアントの求めているものになかなか到達できませんでした。振り返ってみると、データの基礎分析が足りず、最初の段階でデータから見えてくる問題を明らかにしたうえで、それが肌感覚とあっているかクライアントにヒアリングすべきでした。課題の設定には、ヒアリングとデータ分析の両面のバランスを取ることが必要だと実感しました。また、課題を設定した後、課題解決のためにモデルを構築しましたが、そのモデルを元に実務で活用できる打ち手を検討することがなかなかできず、具体性にかける打ち手しか最初は思いつかず苦戦しました。
平山さん:ファシリテーターとしてどうやって責任もってタスクを進めてもらえばいいか悩みました。結果として自身がボールを持ってしまうことが多くなり、チームとしてうまく進められていたか不安でした。自分としては本当の問題を洗い出してからというプロセスを意識して取り組んでいましたが、頭の中で考えるべきことと、データから確認しなければいけないことを意識して分けて考えられず頭でっかちになってしまいました。しかし、メンターの方から助言いただき解決したのでとても助かりました。
原口さん:時間配分には苦労しました。時間はいくらあっても足りないと思いました。またチームメンバーは初めて会った人同士なので、チーム内のコミュニュケーションにも工夫が必要でした。誰が何をしているのかは把握しづらく、自分から積極的に会話しに行く必要があると思います。
このコンテストを通じて学んだこと、普段の業務に活かせられそうなことはどんなところですか?
藤川さん:あるべき姿と現状の差(=問題)を、ヒアリングとデータ分析双方の視点から明らかにし課題を設定する課題解決の一連のプロセスを学びました。このプロセスは今後も色んな場面で活用が出来そうです。さらに、今回のコンテストで使用したデシル分析やアソシエーション分析など、今まであまり使用しなかった分析手法は今後の実務で積極的に活用したいと考えています。
岩永さん:目的と課題の整理方法を学ばせていただきました。また、リーダー、ファシリテーター、分析者、資料作成者の役割が複数人だとある程度分かれるため、それぞれうまい人を観察することもできました。普段の業務はデータ分析等をメインに行わないですが、問題に対する課題の抽出やブレークダウンの方法等は、今の業務にも活かせるでしょうし、役割に関しても同様に業務に活かせると思います。
真田:メンバーの皆様ありがとうございました。
メンターのお2人にも質問させてください。コンテストを通じて、人に勧めたいと感じた点などについて教えてください。
眞鍋さん:異なる業種や企業のかたが集まりチームを組んで、コンテストをする機会自体がすごく貴重だと思います。そのうえで、自社ではわからないチームそれぞれのかたのデータサイエンスの実力を実感しながら進めていける点がお勧めです。
服部さん:実際のクライアントに対して、自身の考えを提案できる点が、通常の研修や人材育成のプログラムにはない点だと思います。また、同じテーマでいくつものチームが切磋琢磨しているため、自分にはない視点を得ることができる点、また周りの人のレベルを知る良い機会になるとも思います。
メンターとして大変だったこと、苦労したことはなんですか?
服部さん:取り組みの序盤、メンバーがどう分析していったらよいか分からず、メンターがガイドするべき局面がありましたが、私自身クライアントの業務等に詳しいわけではないので、どうアドバイスすべきか悩みました。メンターもメンバーに伴走しながら、一緒に考えていく姿勢が重要だと改めて気づきました。
真田:このプロジェクトを通じて学んだこと、メンターとして気をつけていたことがあれば教えてください。
眞鍋さん:自分自身も初見のデータなので、きちんと把握しながら、他のメンターのかたの意見や提供会社の課題を見極める時間をとるところが毎回難しく、気を付けていかなければいけないことだと思います。
真田:ありがとうございました。
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