2023.08.22
Data of Data Scientist シリーズ vol.45『53%-転職意向があるデータサイエンティストの割合』
データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けのアンケートを毎年実施しています。今回は「データサイエンティストの転職」を切り口に調査結果について考察します。
2022年度の一般(個人)会員向けアンケートにおいて、「あなたは現在、もしくは今後、データ分析・解析に関する業務において、転職を検討していますか。」という設問に対する回答結果は、以下の通りでした。
「現在転職活動中」もしくは「検討をし始めている」と回答した割合が19%と、選択肢の変更があったものの、検討している人は2015年以降一番高い割合となりました。また「条件によって検討したいと思う」の回答まで含めると、転職意向がある割合は53%でした。転職意向がある人の割合は、2019年度に1度減少していましたが、近年また増加傾向であることが見られました。
更に同アンケートでは、転職時の重視したい点についても調査しています。
上記のグラフの通り、「興味深いデータがある(33%)」や「分析・解析のためのインフラが充実している(34%)」などの環境面より、「自身のスキルが活かせる(55%)」、「データ分析・解析人材が評価されている(53%)」などの人事面を重視する割合が高い結果となりました。
昨今「データサイエンス」に関する専門部署やチームがある企業が増え、活躍できる場面が増えたことで、自身の強みとなるスキルを活かし、またそれを適切に評価されることを望んでいる人が多いことが考えられます。
また、「スキルが活かせる」ことを重視する背景には、下図の「スキル活用における不満」があるようです。
2022年度の結果では、減少傾向であった「上司・経営層の理解がない (38%)」や「他部署の理解がない (31%)」が増加し「同僚・部下のスキルレベルが低い(42%)」が微増する結果でした。
このような結果を踏まえると、今後企業側がデータサイエンティストを獲得していくには、企業・組織全体が「データサイエンティスト」という職種を理解し、スキルに合わせた人材配置を行うことと、スキル及び成果を適切に評価できる制度を整えることが必要なのかもしれません。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ 柴田真妃
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