2024.08.27
課題解決型人材コンテスト2023参加者インタビューvol.3
- インタビュー
- 課題解決型人材コンテスト
課題解決型人材コンテストは、企業にリアルな業務課題とデータを提供いただき4ヶ月間のデータ分析の結果からアクションを提言するコンテストです。参加者がチームを組みメンターからアドバイスを受けながら、フレームワークに沿って課題・データ提供企業と合意形成するユニークな取り組みを行っています。
2023年の概要はこちら→https://techplay.jp/event/904455
今回は、Aチームのみなさんにコンテストを振り返って様々なお話を伺いました。
メンバー:GMOインターネットグループ株式会社 安田卓矢さん/旭化成株式会社 吉田圭祐さん/アークレイ 藤縄義明さん/金融機関 横井源さん
メンター:株式会社IBM Client Engineering 田村孝さん/ネイチャーインサイト株式会社 吉岡大輔さん/プラス株式会社データストラテジー部 大野達哉さん
インタビューアー:DS協会 広報担当 真田
このコンテストを通じて良かった点、人に勧めたいと感じた点などについて教えていただけますでしょうか。
安田さん:複数のチームと競争する形で実務に近い内容のテーマについて、データ分析やプレゼンテーションをできた点がとてもよかったと思います。ビジネス理解、データ分析、モデリング、評価、アクションの提案、スケジューリングなど様々なタスクに対応する必要があり、多様な経験を一度に経験することができました。また、中間報告会や質問会など、途切れることなくコンテストに一定のコミットを続けられたため、データハンドリングやソフトウェアの理解をかなり深めることができました。
吉田さん:データ分析の一連の流れを体験できる点が良かったです。
データ分析のプロジェクトに関わるには、① データ分析に取り組んでいる企業へ入社すること ②データ分析を行っている部署へ配属されること③ データ分析のプロジェクトにアサインされることが必要な条件だと考えますが、これらにマッチングするのは難しいことであると思います。しかし、課題解決型データ活用人材育成コンテストでは、以上のような条件で該当しなくても、データ分析の一連の流れに関わることができるため、自身のデータ分析の経験を積み重ねることができると思います。「データ分析をやってみたいけど、仕事でなかなか取り組むことができない。。」といった方に是非進めたいと思っています。
藤縄さん:ビッグデータの取り扱いについて学ぶことが多く、非常に自分のスキルアップにつながりました。またデータ分析のスキル面だけではなく、講義やコンテスト全体を通して、データ分析の目的がいかに重要かを身をもって学べた点も大きかったと思います。チームメンバーもスキルや意識の高いメンバーが多く、コンテスト期間中多くの刺激を受け、自分自身のモチベーションアップにつながりました。
このコンテストで大変だったことや苦労したことは何ですか。
安田さん:普段経験したことのない業種のビジネス課題を解決することが目的だったため、ビジネスサイドの理解や適切な水準の成果物を作ることはとても大変でした。また、膨大なデータの中から、普段業務で分析されている方にも意味のある情報を取り出してわかりやすい形で説明しなければならず、チームメンバーと協議して合意形成しながら一定の期間内にアウトプットすることはとても難しいことだったと思います。
横井さん:苦労したことは、データが膨大であったことです。目的変数を自身で設定する必要があることでした。私は普段の業務ではデータを直接触る機会が無く、Kaggleなどのデータサイエンスコンペでpythonを使う経験のみでした。今回カインズさんから提供いただいたデータの量は初めて扱うデータ量であったため、データを把握する時点でとても苦労をしました。そして通常のコンペでは提示される目的変数が無いため、与えられた課題からチーム内で考えて設定をするということがとても面白かったです。
このコンテストを通じて学んだこと、普段の業務に活かせられそうなことはどんなところですか?
吉田さん:企業に関する市場動向や企業戦略について、分析前に深く調べました。今までこのような調査を実施したことがなかったので、有用性が分からなかったのですが、課題設定等の場面で活用していく中で必要性を感じ、大変勉強になりました。分析に限らず、今後の施策実施では、内部・外部環境に関して、しっかり調査していこうと思いました。
また、今回のコンテストを通じてデータサイエンティストはビジネス力が必要であると実際に感じました。日頃の業務で意識していくことで、より能力を高めていきたいです。
藤縄さん:初めて扱うデータ分析ツールにも触ることができたため、自社にデータ分析基盤を導入する際は候補の一つになると考えています。またコンテスト全体では、分析業務はやはりビジネスサイドとコミュニケーションをとり、最終的にどんな結果が欲しいのかといったすり合わせが非常に重要であることを再確認させていただきました。社内での分析業務においてもどのようにこのデータを活用するのかを常に確認しながら進めたいと思います。
横井さん:通常のコンペではデータの分析のみですが、本コンテストはデータから想定する業務の背景や、具体的なアクションに落としていくということを学べました。当チームは分析結果を最後のアクションに落とし込むという作業をなかなか進めることができなかったのが残念です。他のチームでは実際に業務をするカインズさんのことを考えたモデルの解説やアクション計画を細かく説明したスライドを作っており、とても勉強になりました。今後は勤務先でもデータ分析の業務にも携わりたいと考えているので、今回の経験を活かすことができると思います。
真田:メンバーの皆様、ありがとうございました。
メンターの皆さんにも質問させてください。コンテストを通じて、人に勧めたいと感じた点などについて教えてください。
田村さん:参加者としては、自社の業務で触ることのできないデータに触れる上に、データ提供者とのコミュニケーションまで取れるところが良かったです。分析能力ではなく、課題の定義や投資対効果などのビジネス要素に注目していることもメリットだと思いました。
メンターとしては、データが見れること、データ提供者の課題感を知ることができること、提供者と対等な立場なのでフラットなフィードバックが聞けることが良かったと思います
大野さん:様々な背景や経歴を持った方々と一緒に取り組むことによって、いろいろな考え方や観点に気づくことができました。また、社会人になってこのようなチームで一つに取り組むことは少なく、コンテスト形式というものも面白かったです。そして、机上のデータではなく実際にカインズ様という生きたデータを用い、カインズの担当者が現場でモデルを使用する視点でアドバイスや評価いただけるプロセスは、今後私自身もモデル作成や分析をしていく上で非常に参考になりました。
メンターとして大変だったこと、苦労したことは何ですか?
吉岡さん:初参加だったため、関与のレベル感、サポートのやり方に迷いました。もっと自分自身にコミットできたのではと反省しています。
大野さん:自分の普段の仕事や、プライベートの時間を削って週次打ち合わせ等の時間調整をするのが非常に難しかったです。実際、土日は家庭の事情でまったく打ち合わせに参加できず、参加者の方々や他のメンターの方に迷惑をかけてしまったと思いました。また、メンターとして参加者が討論している内容や分析等にどこまで干渉してよいものかがわからず、さらにどのようなアドバイスをしたら良いのか分からず、苦労しました。
このプロジェクトを通じて学んだこと、メンターとして気をつけていたことがあれば教えてください。
田村さん:普段の業務で実施していることと、今回のプロジェクトの中で言われていたこと(課題の定義とか冒頭のセッションなど)が同じだったので、改めて確認ができました。参加者の意見を優先しつつ、自分だったらこう言う仮説の元でこう進める、という一つのアイデアとして意見を述べる形に留めていました。リード、ではなく、サポート/アドバイザーの形になるよう心がけていました。
吉岡さん:なるべくチームメンバーが離脱しないように、参画の度合いや発言などに留意するように気を付けていました。が、もっと別の部分(成果、レポートの部分)を意識できればよかったと痛感しています。
真田:ありがとうございました。
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