2020.11.08
Data of DataScientest シリーズ vol.8『68%-製造業でデータサイエンティストを確保できなかった企業の割合』
データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けや国内企業を対象としたアンケート調査を実施しています。vol.5では“業種別”のデータサイエンティストの人材傾向について紹介されましたが、今回は更に採用・育成などの観点で組織傾向について考察します。
2019年の国内企業を対象としたアンケート調査において、過去1年間でデータサイエンティストを確保する予定だった企業のうち、目標としていた人数を確保できなかった企業は全体で58%ありました。業種別に見ると、「情報通信業」は34%と少なかったのに対して、「製造業」は68%と多く、その他の業種の平均でも63%もあり、業種によって確保状況に大きな開きがあることがわかります。
また、同じアンケート調査において、データサイエンティスト在籍者が1人以上の企業でデータサイエンティスト人材育成方針を聞くと、各業種ともOJTで育成していくが40%以上と1番多い傾向があるものの、研修については「情報通信業」以外ではほとんど社外研修であるのに対して、「情報通信業」では社外研修18%・社内研修18%と社内研修の比率が高まっていました。
vol.7でも述べられているように、大学でもデータサイエンス系の学部など設立が続くとともに、社会人に対するリカレント教育も増えていく予定ですが、情報通信業では社内人材育成の経験を生かして他社に対する人材育成サービスとして展開するケースも増えています。業種による人材確保に開きがあるものの、このような情報通信業の社外人材育成サービスが他の業種のデータサイエンティスト人材の確保に役立てば、今後、業種間の格差も縮まっていくことが期待されます。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
日本電気株式会社 濱中雅彦
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