2021.09.08

Data of Data Scientist シリーズ vol.21『42%-業務に満足を示している割合』

データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けに毎年アンケート調査を実施しています。今回はデータサイエンティストの育成を切り口に考察します。

2020年の調査では、「現在のデータ分析・解析に関する業務について満足している」と回答した一般(個人)会員は、42%となりました。年代別で見ると、10・20代の業務満足度が49%と最も高くなりました。新規設問のため過去との比較はできませんが他のデータの推移と合わせて考察すると高まってきているのではないかと思われます。

業務満足度

業務満足度が高まるには、様々な要因がありますが「上司・他部門からの理解」と「育成プログラムの有無」など教育環境の整備が関わってくるのではないでしょうか。現在は大学でも統計学を専門とする学部の新設が増えてきており、10・20代でも基本的なスキルセットを持ち合わせ活躍できる可能性が高まっていると思います。そういった背景から、若いうちから上司や他部門から業務を任され、足りない知識は育成プログラムで習得していくというサイクルが出来つつあり、10・20代の業務満足度が高まっていると考えられます。(過去のコラムでも触れておりますが「育成プログラムを備える企業・組織が増加中」となっております)

スキル活用における不満

データサイエンティストの人数が足りないと言われるようになってから数年経ちますが、中途で計画人数が採用できた・社内教育や異動で人員が確保できたという企業はまだ少なく、今後も中途採用や社内育成の重要度が増していくと思います。
一方で、採用・育成をしたデータサイエンティストが業務に満足せず、すぐに転職を考えてしまう環境では中長期的な戦略としては良くない状況となります。そういった意味では、10・20代の若手の業務満足度が高まっていることは良い傾向ですし、各社も手を打ってきていると言えるのではないでしょうか。

 

2020年度の調査では、転職検討者は減少中との結果も出ていますが、業務満足度42%という数字だけ見ると、決して高いと言えないのではないかとも感じており、企業とデータサイエンティスト双方が満足する関係性がより広がっていくことを期待しています。来年度以降の結果の推移が楽しみです。

 

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社リクルート 金子正法

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