2023.07.10
Data of Data Scientist シリーズ vol.42『82%-データサイエンティストに将来性を感じているデータサイエンティストの割合』
データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けのアンケートを毎年実施しています。今回は「データサイエンティストの将来性」を切り口にして調査結果について考察します。
2022年度の一般(個人)会員向けアンケートにおいて、「あなたは「データサイエンティスト」という仕事に将来性を感じていますか。」の設問の回答を集計すると、「将来性を感じる」もしくは「どちらかというと将来性を感じる」と回答した割合は82%という結果で、この設問を実施しはじめた2020年度から高い傾向であることが分かります。つまり、データサイエンティストに従事している方はデータサイエンティストに対し将来性が高いと感じていると推測できます。この背景として、データサイエンティストに従事している方は実案件やデータ分析に携わっている中で、将来像や今後の発展内容がはっきりとつかめているのではないかと考えています。
しかし、2022年度に実施した、一般ビジネスパーソン向けアンケートの結果では、データサイエンティストという仕事に「将来性を感じる」もしくは「どちらかというと将来性を感じる」と回答した割合は24%という結果であり、一般ビジネスパーソンとデータサイエンティストでは、データサイエンティストに対する将来性の考えに乖離がある結果となりました。この乖離の背景として、一般ビジネスパーソンは、「データサイエンティストという名前だけ知っている」、「明確なイメージはない」など、データサイエンティストの業務内容を明確に理解している人が少ないため、将来性を感じている人が少なく、一方、業務内容を明確に理解しているデータサイエンティストは、将来像や今後の発展内容を把握でき、将来性を感じているのではないかと推測できます。データサイエンティストの将来性を宣伝する上で、一般ビジネスパーソンに対して、データサイエンティストという職業を理解してもらう活動が重要だと考えています。
一方、データサイエンティストに従事している方の中でも、将来性に関して、年代別で感じ方に違いがあることが年代別で結果を集計するとわかります。以下がその集計結果です。
「将来性を感じる」もしくは「どちらかというと将来性を感じる」の回答した割合で見ると、10・20代が88%と最も将来性を感じている結果となりました。一方、30代は78%と、将来性を感じる割合は多いものの、他の年代と比べると低い結果であることがわかります。このような結果になった背景として、10・20代は入社間もなく、比較的自由にデータ分析の案件に従事できている一方で、30代になると、マネージメントなどデータ分析以外の業務も増えてきており、入社当時とのギャップなどにより、以前と比べて将来性の感じる業務が少なくなっているのではないかと推測できます。30代の将来性の低くなる要因に関しては、入社当時のギャップや変化などのさらなる調査が必要かもしれません。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
日本電気株式会社 田中智規
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